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監査調書作成編の変更点

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!監査手続の結果は監査調書として残さねばなりません。

監査業務とは本来的には会計処理の適否や内部統制の有効性に対する判断ですが、判断の過程と結果を残すことは、監査人が「正当な注意」を払って業務を遂行した証拠として必要なこととされています。

誤解を恐れずに言えば、監査調書をいくら丁寧に作っても監査の品質は上がりません。医者がカルテをいくら丁寧に書いても、患者は自分を診てもらったという実感もありませんし、まして病気が治癒するはずもないのと同様です。
誤解を恐れずに言えば、監査調書をいくら丁寧に作っても監査の品質とは直接的な関係はありません。調書自体は実施した手続とその結果を記すものなので、まさにそこに書かれる元となっている事実があってこそです。医者がカルテをいくら丁寧に書いても、患者は自分を診てもらったという実感もありませんし、まして病気が治癒するはずもないのと同様です。

ではなぜ調書を残さねばらならないのでしょうか。

最大の理由は、そこに監査人のノウハウが表現されるからです。それ自体が、監査手続を向上させたり奥深いリスクを分析した結果となるため、監査手続の向上が図られます。監査マニュアルは所詮「汎用的」に作られますので、個々の会社に照らして作られた調書ほど勉強できるものはないのです。

そうであれば、監査の品質管理の目的のために監査調書の記録が参照されるのも当然です。また、粉飾等があった際には訴訟などで監査人がどのような業務を行っていたかを判断するために証拠としても監査調書が用いられます。

つまり大前提としての正当な注意義務の遂行と、その結果としての監査調書記録です。

!手続の質を向上させ、作業の効率を上げる

したがって、監査品質の向上は前者によるわけで、後者はあくまでも記録に過ぎません。よく「監査手続の効率化」という言い方がされますが、手続自体は効率化ではなく深度や範囲を含んだ質の向上が命題です。手続を効率化するのではなく、監査調書作成作業を効率化することです。

!RおよびRStudioで手続遂行と調書作成がシームレスに連続

ここでは、従来の監査ではあまり使われてこなかった以下の3点について論じてみます。

*グラフによる表現

監査資料のほとんどは表形式のものが多いのですが、何が表現されているのか一目では分からないものもあります。会社の経営資料などではグラフなどを使って分かりやすい説明がされているものがたくさんありますので、特に概括的分析やリスクの特定におけるグラフの活用は監査人にとって検討すべき領域です。

RとRStudioはもともと統計分析ツールですから、グラフによる表現機能が充実していますので、これを活かさない手はありません。

*Knitr(マークダウン言語)

「にったぁ」と発音します(おそらく)。

マークダウン言語と呼ばれる簡易な記号を使った文書によって、文字の飾りができるだけでなく、Rで作成される図表を文書の中に組み込んだり、文書作成自体をプログラム化することが可能な機能です。

これは、「表計算ソフトでグラフを作ってワープロに貼り付ける」作業を当然視していた人にとっては、かなり衝撃的な機能です。

*プレゼンテーション

Knitrと同様に、RStudioにはプレゼンテーションの作成機能があります。