トップ 一覧 検索 ヘルプ RSS ログイン 印刷

機械学習への期待の変更点

  • 追加された行はこのように表示されます。
  • 削除された行はこのように表示されます。
{{include 機械学習}}



!!監査に使える機械学習

前置きが長くなったが漸く本題に入る。

監査においては、次のような使い方が考えられるのではないでしょうか。

!モデル化
まず、モデル化は既存のデータからモデルを抽出することで、取引や事業活動の特徴を関数という形で表現できることになります。

一番端的なモデルは、お馴染みの、

 利益=販売単価×販売数量×利益率

ですが、全体の平均的なモデルだけ作るのであればそれで構いませんが、あまりに大雑把過ぎて有用な情報にならない可能性があります。これに、商品の種類、相手先などの条件が加わることでそれなりに有用さが増した情報が得られますが、たくさんの組み合わせが発生するので、それをいちいち手で計算していたのでは、いくら時間があっても足りません。

そこに機械学習の方法を使って、モデルを生成できないかと考えるわけです。

!推定値

モデルができれば推定値を計算することも可能です。とある条件の下での取引単価を推定したり、利益率を推定したりします。分析的実証手続に活用できそうです。

!分類

監査では分析によって取引を組織単位や商品単位で分類して、それぞれにリスクを捉えて監査アプローチを決める方法を採ります。これは、全体をざっくりと捉えるよりも、分類したほうがよりリスクの高い領域を特定できる可能性があるからで、分析はリスクアプローチの根幹を担います。

通常の監査においてはデータが持っている変数(フィールド名)によって分類することが多いでしょう。それが、組織や担当者、あるいは商品カテゴリや取引先といった項目で分類されるのは必定ですし、実際それだけでも相当有用な情報を提供してくれます。

!異常検知

推定や分類の方法を援用すると異常検知に使えないでしょうか。

例えば、ある取引条件の下での推定値が算定できた時、同じ条件下での実際の取引を見てみると推定時とは大きく異なっているような場合、それは「異種」の取引としてリスクが高いという判断ができます。

また、分類の方法を用いると、「仲間外れ」にされる取引群を取り出すことができれば、他の取引とは類似性のない、何か変わった特徴のある取引が記録されていることを意味するので、通例では見られない取引が行われたと考えたり、実体のない取引が記録されている可能性などが考えられます。
推定や分類の方法を援用すると異常検知