!不正リスクとは 不正リスクは、財務諸表の中に何らかの事実と異なる処理や会計基準では認められない処理が意図的に含まれる結果、財務諸表自体が歪められてしまい虚偽表示に至るリスクを言い、顕在化すれば利用者に誤った情報が伝えられ、会社の財政状態や経営成績が誤解される。 不正には必ず実行者がいることが想定されるため、一般に、経営者・管理者レベルによる不正と従業員レベルによる不正の実行者に分類される。 従業員である場合には会社の内部統制により牽制され防止され発見される可能性があり、手口が巧妙であれば発見されない。経営者による不正は、そもそも内部統制の効力の外で発生することになる。 が、経営者・管理者による作為による不正と不作為による不正という考え方もある。 すなわち、経営者による作為は内部統制の無効化という形で現れ、経営者による不作為は内部統制が改善されないことによる機能不全によってもたらされる不正である。 すなわち、監査人が対処すべき不正は、首謀者に係らず内部統制の支援は得られない部分であることに注意が必要だ。 不正リスクは監査人にとっては経営者の支援が得られないところで発生する。経営者の有効な支援があれば、内部統制は有効に機能しているとの前提が置ける。