JARL臨時社員選挙に思う 私は昨年末に免許を取得して直ぐにJARL会員になりました。単なる趣味の会と思っていたのですが、会館建設等を考えた相当量の資金や遊休不動産などを有しており、組織としてのガバナンスがきちんと求められる団体であることが分かるまでには時間を要しませんでした。 しかし、永年、同一人物が会長を務められ、このたびの一般社団法人化にあたって退職されるとのことですが、これによって動揺が走っているようです。 JARLはアマチュア無線人口の減少に伴う会員数の減少、会費収入の減少、肥大化した運営コストの縮小、IT社会への遅れなど、構造的な問題を有しており、趣味の会でありながらもお金を扱う以上は重要な経営問題であることは間違いありません。組織運営の建前はボランティアですが、これに経営センスが求められる以上はそれなりの方が運営に携わる必要があると同時に、組織運営に当たっての会員の意見反映やこれを実現するためのガバナンスのあり方など、経営学的にも面白い領域が含まれています。 趣味を扱う会として楽しいもの遣いやすいものであってほしいというのは、会員の常なる願いではありますが、同時に組織として運営する以上はそれなりの管理と統治が必要でありまして、今回の臨時社員選挙は一般社団法人化に当たっての命運を委ねることになるイベントです。 しかしながら、JARLから送られてきた投票用紙には、コールサインと会員名が記載された紙だけであり、どなたがどういう意見を持っておられるのか、投票の基礎となる情報がまったくありません。まさにここにJARLの体質が露呈しているといわざるを得ないでしょう。 わずか1年にも満たない会員ですが、日常的に企業経営に触れる立場として考えると、相当なリストラクチャリングが必要です。但し、組織は資金がある限り存続します。現在の資金の枯渇とともに組織は崩壊します。しかし、それがシナリオとして見えている状況は既に崩壊に向かっているということを意味します。