!!!キーコントロールとは {{include 実施基準の規定}} {{include COSOモニタリングガイダンス}} !!!本稿の定義 財務報告の虚偽記載に繋がる会計処理ないし開示上の誤謬や不正の発生(=財務報告上のリスク)を未然に防止し適時に発見訂正することを意図して経営者により設計された業務上の諸手続の組合せや業務環境であって、財務報告において経営者が要求する最低限度の品質が確保される(すなわち受容する最大限度のリスクが防止される)ために必要不可欠な手続や業務環境を言う。 !!ポイント +会計処理、開示に係るものである +財務報告上のリスク(誤謬や不正)を未然防止し適時に発見することを目的とする +経営者が設計運用主体である(財務報告における二重責任) +最高水準ではなく、必要最低限を満たすレベル(つまり必須のレベル)の品質を意図 !!解説 ::会計処理、開示に係る これは制度が「財務報告の適正性に係る・・・」という建付けになっているから。しかし誤解してはならないのは、会社内のあらゆる手続は特定目的のためにあるものではなく、ある目的から見たときに結果的にその目的を果たしているものです。したがって、広い意味(COSO定義)での内部統制における、コンプライアンスとか資産の保全といった他の目的も同時に果たしているものが結構たくさんあります。 よって、目的からコントロールを探すことはできますが、コントロールがどの目的を果たしているかを探そうとしても大した意味はありません。但し、コントロールが実際に所定の目的を果たしているかどうかを検証することは、必要なことであり、制度の趣旨でもあります。ここを混同しないように。 ::誤謬や不正を未然防止、適時発見 よく「予防的統制」「発見的統制」という用語が使われます。財務報告の虚偽表示の原因となる誤謬や不正を未然に防止し、適時に発見するという目的は、分かるようで分からない部分で、とても誤解があるようです。 「未然防止適時発見」はあくまでもある統制行為の目的との関係での位置づけであるため、統制行為自体を予防的か発見的かという形で分類することは生産的ではありません。 ::経営者が設計運用主体 リスクを認識するのが経営者であるため、識別されたリスクを「制御する」のも経営者の意図となります。もちろん実際はそれを組織の行動に落とし込んでいくわけですが、その過程を「統制の整備(デザイン)」と言い、その実践を「統制の運用(オペレーション)」と言っています。そして実践を確認し問題点を識別する行為が「統制の評価」となり是正措置(すなわち、次の段階の整備)へとつながるわけです。 つまり、経営者による一連の経営管理サイクルと言うことです。 ::必要最低限 「キー」という言葉に表象されているのはこの部分です。経営は常に業務改善を目指す一連の行動ですから理想を追い求めます。他方、コントロールというのはリスク対応活動であるため、直接的には付加価値生産に結びつかないことから、コスト要因となります。畢竟、経営者は最大限の効果を最低限のコストで発揮させる活動を選択しますが、そこでクリアすべき要件を最大限許容可能な水準を満たすことを必要条件とします。 十分なコントロールというのは限度がありませんが、十分なキーコントロールというときには、最大限許容可能な水準以下のリスクレベルが確保されている状態であり、キーコントロールが十分でないときは、許容可能なリスク水準を超える虚偽記載が顕在化する可能性があることを示唆します。 //この下は消さないでください ---- ::※ちょっと一言