!!!ネットワークの形態 !!単純リンク型(1:1) 最も単純な図式は、ネットワーク参加者のAとBとが1対1で繋がるものです。 これには結節点という概念はありません。 !!スター型(1:n) 電気、ガス、水道などのライフラインは、24時間365日休みなく供給されなければなりません。したがって、供給者はネットワークに常時一定の圧力(電圧、ガス圧、水圧)をかけることで供給量を調整します。末端の消費量が増えれば、発電所の発電量を増やす、ガスのバルブを緩めるなどして、系全体の消費に対応する必要が生じます。 !!ツリー型(1:n1:n2....) ある工業製品の「製造−卸−小売」という流れる経路が、ツリー型に相当します。 以上は、いずれも1当事者が多数のネットワーク参加者へなんらかの便益を供給するという前提に立っていました。 そこで、双方向型のネットワークの場合は次のようなネットワーク発展形態も考えられます。 !!メッシュ型(n:n) AさんはBさんとの間で通信網を構築しました。 次にCさんがBさんとの間で通信網を構築しました。 CさんはAさんとの間でも話がしたいときに二つの選択肢があります。 それはBさんのとる行動にかかわってきます。 ひとつは、Bさんが自分のところを通過させないという選択をすることです。 その結果、A−C間を直接繋げることになります。 もうひとつは、Bさんが自分の所を通過してもよいという許可を出してAさんとCさんとを繋げてあげることです。 このBさんの最初の行動が後々に大きな変化となって現れます。 次にDさんがこの「繋がり」に加わろうとしてくるときに、誰に繋がろうとするかが問題です。 三角型の場合には、Bさんは自分のところを通過することを既に認めていないため、DさんはBさんには接続しません。(自分のところを通過することを認めてくれるという前提で)AさんかCさんへの接続を求めるでしょう。 直線型の場合には、とりあえずBさんが自分の通過点を開放していることが明らかなので、DさんはBさんへの接続を求めることでしょう。というのもBさんに繋がっていれば、そのままAさんCさんとも繋がることができるからです。逆に、AさんないしはCさんへの接続をすることは、その先にいるBさんへの通過が認められない可能性が少しでもあれば、DさんはせっかくAさんCさんと接続しても、また他のネットワーク参加者に接続しなければならないというリスクを負うことになります。 このようにネットワークは特定点から放射状ないしはツリー上に伸びて発展していく形と、当事者の自由な行動によって相互に接続していきながら全体の系を形作る発展形態とがあるといえます。 情報ネットワークについては、新聞配送網やテレビ放送網のような一方的な情報の流れを前提としたものは上記に類したネットワーク構成が成り立ちますが、電話のように多数の当事者がその時々の事情に応じて繋がる相手が異なり、また情報の流れが双方向であることから、1:n型のネットワーク構成だけではなく、n:nの構成も必要となってきます。 通信網の場合は、通信量の多い場所(都市部など)では通信を迂回させたりしながら量全体を系全体でカバーするようにメッシュ型の構造となっており、反対に通信量の少ない場所(過疎地など)では、ツリー型の構造になっています(逓信総合博物館)。 初稿:04年08月31日