!本章の議論 本章では通信事業の市場構造や事業構造の経済的特性を中心に議論していきます。 会計は組織の活動を貨幣数値で表現する技法です。つまり会計の議論をするためには、会計が対象とする組織活動である通信ビジネスの姿をきちんと捉える必要があります。 また、捉え方によっては表現の方法も全く異なってくるため、ここで述べる捉え方が唯一のものではなく、一つの考え方に過ぎないこともお断りしなければなりません。 会計制度は、良くも悪くもモノの販売を通じて利益を出す事業体を暗黙の前提として理論構成されています。 通信事業に限らず、会計が対象としている事業の姿を理解せず、徒に「会計制度」を適用するだけでは、結果的に誤った会計表現をする危険性があります。 それが、会計を議論する前に市場や事業の特性を理解して、徒に会計制度を是とするのではなく、本来あるべき会計の姿を追究することへと繋がっていきます。