キャッシュフローの管理 実際に、キャッシュフローは決算を待たずに作成可能な項目です。というのも正規の決算においてはいわゆる「キャッシュフロー計算書」が貸借対照表の増減から誘導的に作成していく方法が採られることが多いので、月次でもこの方法で作成しようとして二度手間をかけているケースがあります。 確定決算では、確かに、 ++売上・仕入の確定、 ++債権・債務の確定、 ++損益計算書、貸借対照表の確定、 ++キャッシュフロー計算書の作成、 という流れで、財務諸表が作成されるケースが多いと思われます。 しかし、現金残高をきちんと把握し、財務取引(借入金の増減など)と設備投資を把握しさえすれば、月次のキャッシュフローは実は損益計算書より容易に作成可能なのです。なぜかといえば、キャッシュフロー計算書の様式を見れば、営業取引のキャッシュフローは全体のキャッシュフローから財務と設備投資を控除したものだからです。 !考え方 ""期間CF=営業CF+財務CF+設備投資 だから、 ""営業CF=期間CF−財務CF−設備投資 ""(※+は範囲に含む、−は除外するという意味。) 営業CFがこうして把握できる一方で、営業CFの内訳も知らなければなりません。 間接法表記されるCF計算書によれば、 ""営業CF=期間損益+非資金費用+債権債務の増減 ですが、 ""期間損益+非資金費用≒EBITDA ""営業CF=債権債務の減少(債権回収と債務支払) ""債権債務の増加=売上−原価 と置き換えが可能ですから、最終的には ""EBITDA=売上−原価 となり、営業債権債務の月次決算計上をきちんと把握しておけばよいことになります。 つまり、月次の損益管理がきちんとできる会社は月次のキャッシュフローも簡単に作成できるということがここで言えます。 また、月次の損益管理がきちんとできるということは、まず営業関連取引がタイムリーに把握され決算に反映されること、つまり、営業債権/売上、ないし、原価要素/営業債務という仕訳がきちんと反映できることが重要です。 さらに、計上された債権債務がいつ回収・支払されるのかという情報がEBITDAによる月次管理の裏腹にあることもここから分かりました。 Created:2004年05月03日