{{category 6mDCS}} 吉本猛夫OMの「楽しく学ぶアナログ基本回路」という本を読んでみました。一度通し読みをしたのですが、今回はトランジスタのところを中心に。 いままで色々と勉強してきて、特に分かりにくかったのがバイアスの設定です。 ところがこの本を読んで、目からうろこが落ちたのは、直流電流と交流信号は別々に考えよということでした。 増幅回路では、まず直流電流でバイアスのかけ方をきちんと決めること、次に交流信号を入れて増幅させること、増幅された信号はトランスで取り出す方法と、直接コンデンサを通じて取り出す方法があることなど、今まで回路図を見ているだけではよくわからなかった「概念」が分かるようになりました。 逆にこの概念はかつてこの本を読んだ際には理解できていなかったわけで、理屈→実践→理屈→実践・・・と進めていきながら自分が物事を理解する過程が分かって、興味深いものがあります。 もう一つ、バイアスの設定の仕方についてです。 鈴木OMの本では、Vceに電源の2分の1の電圧がかかるようにということでしたが、吉本OMは2分の1から3分の1ということのようです。また、吉本OMはエミッタ抵抗は電圧を浪費してもったいないので、ゼロにして、その分の調整はベース側でやりなさいということでした。 どちらが正しいということではないのでしょうが、どの辺までが許容(利用可能)範囲なのかということを考えるには、こういった観点の違う本を読んでみるのも、また発想が広がりを持ってくるので、面白いですね。