アンパンマンのピアノ修理

今日はおもちゃ病院のドクターボランティアでした。

受け持ちはアンパンマン意匠のピアノで電子音がピアノ以外にもトランペットやバイオリンなどで出せる、いくつかの曲が演奏できるという代物です。

アンパンマン光でひけちゃう!育脳キーボード by JoyPalette

症状の主訴は音が出ないというものでした。

音が出ない、動かないという症状を訴える人は得てしてバッテリのチェックをしていないので、早速テスターでチェック。4本とも完全放電状態でした(液漏れしていなかったのは幸い)。

安定化電源から供給してみたら一応駆動はしているようでした。ただ、鍵盤の一部の音が出てこないようなので預かることに。

外観では破損などの損傷はありませんが少し汚れがあるのが気になりました。開けてみると、中には正体不明の黒い液体がたっぷりと流れていて、ジュースの原液なのか黒蜜なのかよくわかりませんが、これが接点や回路に流れ込んでいる様子です。

シンナーとアルコールで拭き取りました。

回路の上では、押し釦スイッチの裏側にあるメンブレインスイッチが接触不良になっているようだったので清浄しましたが直りません。試みに電圧を図ってみたら、HighとLowの違いがはっきりと出ているためスイッチ自体は洗浄で復活したようです。

鍵盤のグループが3つの回路に分かれていて、いずれも右から2番めの鍵盤が音が出ないので、おそらく電子回路の方にもあの液体の影響が出ている可能性があります。

他のドクターにも手伝っていただきながら、電解コンデンサの液漏れをリプレイス、COB回路が載っている基板をハンダし直し、など試しましたが、その基板がメイン基板に載っている部分は流石に外せないので、その下にある回路に何らかの影響があるものと推定しました。

これ以上の回復は無理だと判断し、最後3つの鍵盤の故障を残したまま返却することになりました。

学習

  • メンブレインSWは消しゴムでこするとキレイになる
  • 基板の汚れはフラックスなどによるものだが、シンナーを使うとかなりきれいになる
  • コンデンサは導通チェックをして直流がカットされていることを確かめること。導通していれば溶液が抜けている可能性が高く、そもそも直流カットの機能を果たしていない。
  • おもちゃは許容電圧が低いものが使われていることが多いが、取り替え時には最低でも16V以上を使うこと。
  • 部品取り替えの際には新しい部品でもリードを磨くこと(酸化しているため)
  • メンブレインSWのチェックには、古いおもちゃの別のスイッチをテスト用に持っておくと導通チェックは簡単

など学ぶことの多い一日でした。

Last updated 2025-05-22

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いまさらハム

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