ITにより自動化された会計処理はITによる統制なのか - なわ (2008年03月16日 15時36分16秒)
JICPAのIT委員会研究報告35号で、自動化された統制「等」として以下の3点が記載されています。
- 自動化された統制手続
- 自動化された会計処理手続
- いわゆるキーレポートによるHybridコントロール
1は例えば、入力時に異常値がはじかれたり、入力項目相互間の関係がチェックされたり、入力値をリストから選択するなどして制限をかけたりするなど、それなりに統制と言えますね。3は人間が判断する部分が統制になりますが、ITは単に仕様に基づきデータを出しているに過ぎません。しかし、2は、単に人間による作業を機械が代行しているだけで、それを持って統制と言えるのでしょうか。思うに、以下の3つの説があります。
- A説:人間が計算するよりもはるかに正確に計算エラーを防止しているから統制である。
- B説:機械計算は単に業務の迅速化効率化のために過ぎず、計算の正確性は結果的な付加価値に過ぎない。
- C説:経営者の意図による。すなわち経営者がなんらかのリスクを認識しておりそれを抑制しようとしている場合には統制であり、そうでなければ統制ではない。
経営者は「統制」を評価しなければならないので、2が統制に該当するかどうかは、評価範囲を決める上でそれなりに重要な影響があります。私は2は全般統制の運用成果だと考えているのですが、他の方のご意見はいかがでしょうか。
【本文脚注】